ヨーガ体操を実習するとき最も大切なことは「四原則」を守って行うことです。
どんな体操でも四原則をつけて行うとヨーガになります。かたちだけヨーガ体操に似ていてもヨーガのやり方から外れていてはヨーガではなくなります。四原則を守って行わないと期待する効果は得られないのです。
四原則について
1、 ヨーガ体操の動作はできる限りゆっくりなめらかに行うこと。
体をゆっくり動かしてゆくので、自分の体の動きはどうだろうか、その動きに体はどのように反応し刺激はどのように入ってくるのだろうか、自分の体の伸びや深まりの限界はどの位かなどがわかります。反動をつけないで行うので体を痛めることがありません。動きは中国の太極拳の動きに似ています。
2、 動作と呼吸のつながりを心得て両者がばらばらにならないこと。
一つ一つの動きに呼吸をつけて行います。ですから呼吸の長さによって動きがきまります。呼吸の速い人は動作が早くなり、呼吸の長い人はゆっくりとなります。そこで、ヨーガはマイペースとなります。
3、 ヨーガ体操を行っている時はいつも意識を体の一部或いは全体に向けて行います。
体の動きに意識をむけて行い、一つのポーズができたならそのポーズを保持します。その時も心を集中し、そのポーズに成りきるようにします。そこで、ヨーガの体操には「コブラのポーズ」とか「弓のポーズ」などポーズを象徴している名がついています。
4、 ヨーガの体操は緊張と弛緩の調和または交替の配慮が大切です。
ヨーガの体操は心身をゆるめることが目的です。緊張があり、そしてゆるむので、緊張はゆるめる・リラックスするための手段なのです。
リラックスによって深部の体のこり、心の緊張が消えストレスも解消し、心がなごみ、やすらぎと心地よさにつつまれて、ヨーガが自分にとってよいものであることが改めて体と心から解ってきます。
ヨーガ体操のやり方と注意
1、きつく力を入れ激しくしないこと。ヨーガは鍛錬ではないのです。
2、上手・下手を気にしないこと。ヨーガはスポーツのように技や記録を競い合うものではないのです。下手な人、体のかたい人の方がより効果があります。
3、やさしい体操に「四原則」をともなわせて正確に行うことが大切です。にがてな体操を敬遠しないで行いましょう。
4、一つのポーズができたならば、そのポーズを保持します。その時、体へ意識を向けて体の内面を観察しましょう。体はいろいろなことを訴えてきます。その体と対話して下さい。
そこでヨーガを行う時は、テレビをみながら、音楽をききながら、人と話をしながら行いません。
5、筋肉を伸ばす時や、体位を保持していて深める時は吐く息を使います。吐く息は関節、筋肉、じんたいなどがゆるみやすく、心もリラックスします。
保持していた体をもどす時はゆっくり慎重に行いましょう。
6、体操をしていて痛みを感じた時、その痛みは普段使わない筋肉を動かしたから痛むのか、それともその部位にいやな症状があって痛むのかをみきわめて下さい。
痛みには心地のよい痛みと、いやな痛みがあります。いやな痛みを感じる時はやめましょう。
7、ヨーガ体操は人に助けてもらったり、道具を使って行いません。自分の体に意識を向け体にききながら行います。
8、体操を終えてから疲れを感じるのはやりすぎか、正しいやり方をしていないからです。
初心者・高齢者は物足りないぐらいがいいのです。慣れてきたら少しづつ深めていきましょう。
ヨーガ体操が終わったあとは体のつかれが消え、すっきりした気持のよいものなのです。
9、 一番むずかしいことがあります。それは「毎日行う」ことです。「きまぐれヨーガ」「たまたまヨーガ」ではダメなのです。毎日行うと、いやな症状が少しずつ消えてゆき健康感が高まってきます。それがうれしくなり、ヨーガは一生つづいてゆくことになります。
ヨーガを行う時の準備
1、空気のよい静かな環境が適しています。朝食前に行うのがベスト・タイムです。その日
一日が爽やかにスタートします。
2、服装は体をしめつけないゆったりしたものを着用します。コールセット、ブラジャーは
つけない方が気持よくできます。
時計、ネックレス、イヤリングははずします。香水はつけないようにしましょう。
3、食後二時間後に行います。やや空腹の時の方が体の動きがよく、やりやすいのです。
肝臓の悪い人は空腹時はよくないので、消化のよいものを少し入れて行いましょう。糖
尿病の人は血糖値が上がる食後二時間がよいです。
4、入浴はヨーガ体操の前後三十分間位、間をおいて下さい。
冬の乾燥季にお風呂の中で呼吸法をするのはひかえましょう。
5、病後は医師と相談してからおやり下さい。
ヨーガ体操のねらい
1、骨格のゆがみを直し、体のバランスをととのえ、プロポーションをよくします。ゆがみは生まれながらにもっている場合。思わぬ怪我によってゆがませた場合。筋肉の衰えから骨格を支えきれなくなってきておきる場合。かたよった生活習慣からしらずしらず自分からつくってしまう場合などがあります。一例をあげますと女性が無造作に同じ方に横坐りを長年続けてゆくことで、背骨を湾曲させ気がついた時はとりかえしのつかないことになります。
骨格の中でくるいやすい所は骨盤と背骨です。背骨では頸椎と腰椎です。ゆがみによって神経を圧迫し、血液の流れを悪くし、やがてそこに痛みを生じます。ゆがみはその部分だけにおさまらず、他の所にも波及し体全体のバランスをくずしてしまいます。高齢になると体にゆがみが入りバランスが悪くなり、そのため転倒し、骨折し、寝たきりになることもあります。
自分の骨格のゆがみに早く気づきヨーガ体操で矯正してゆくことが大切です。
何よりも体のバランスをこわさないようにする努力と気づかいが大事です。
バランスのとれた体形は美しく、健康です。
2、体が柔軟で、しなやかになります。
ヨーガ体操を行うことで筋肉が伸び、体の固さが徐々にほぐれ、血行や気の流れがよくなり体はしなやかになります。しなやかな体の動きは美しく若々しさを感じさせます。身のこなしがやわらかです。
3、心身の内面への気づきができて、精神集中が深まります。
意識を体の内面へ向け集中してヨーガ体操を行うことで自分の体の状態が自分でわかるようになってきます。病気も未病の段階で気づき大ごとにならずにすみます。私のクラスでは乳癌の初期の段階で異常に気づき早期発見、治療をした人が三人おります。
体への意識の向け方が深まるにつれ、意識は自然に心の奥深くへ浸透し潜在意識、更に深層意識へと入ってゆき、自分の心の根元が見えてきます。このことから自分の心と体の制御、コントロール、そうして心の浄化もできるようになります。
4、自律神経を調和させ、トーン・アップします。
自律神経は交感神経と副交感神経の二種があって二つの神経が代わるがわる興奮します。この交替が低調になってきますと心身に変調をきたし生命にかかわってきます。
自律神経は、呼吸、内臓のはたらき、血液やリンパ液の循環、ホルモンや酵素の分泌など生命の根幹をつかさどっているのです。女性特有の更年期障害はホルモン(エストロゲン)の減少から生じた自律神経の低調の現れです。
ヨーガの体操に呼吸をともなわせて行うことと、呼吸法を行うことから自律神経へよい刺激を与え、トーン・アップすることができます。ここがヨーガの素晴らしいところです。
ヨーガ行法を行う時、「四原則」を大切にしてやりましょう。「四原則」を外すとヨーガではなくなってしまうのです。
